2017/09/28

読書感想(殺人犯はそこにいる)

こんにちは。
私も年を取るにつれ、活字を読むどころか、漫画を読むのさえペースが落ちてきました。
なので、昨年の今頃、興味本位で買った「文庫X」もずっと手付かずの状態だったのですが、一昨日、不意に思い立って手に取ってみました。

文庫X――「殺人犯はそこにいる」は、「北関東連続幼女誘拐殺人事件」を追い続けたジャーナリストさんによって書かれたノンフィクションです。
事実をありのままに書かれていますから、全てが生々しい。
まだ可愛い盛りの幼い娘を殺されてしまった遺族の悲痛な想い、無実の罪を着せられ、17年もの長い歳月を刑務所で過ごし、辛く苦しい日々を強いられてきた人、あるいは、無実を訴え続けたのに、聞き入れられるどころか、意地でも犯人に仕立て上げられ、死刑にされてしまった人……。
警察や検察、裁判官とは……?
ただ、権力に物を言わせ、弱者の訴えを封じてしまう恐ろしい現実……。

読み終わってからもすぐ読書メーターに感想を残しましたが、とても書き切れなかったのでブログにも綴ることにしました。
感情に任せて書いてしまうので、もしかしたらご不快になるかもしれません。
とりあえず、念のために続きは追記に書かせて頂きます。






文庫Xに手を出したのは、正直、ほんの気まぐれ程度でした。
盛岡のフェザン内にあるさわや書店で文庫Xなるものがあると知り、見付けた私は早速購入。
ただ、なかなかのボリューム。
本を読むのがしんどくなっていた私は、正直、買ったことを後悔したほどでした。

それが、なんのきっかけで読もうと思ったのか。
何となく、本棚に適当に立ててあったそれに目が行ったから、としか言いようがないです。
手を伸ばした時も、「いい加減、読まなきゃなぁ……」ぐらいな気持ちだったのですが、読み始めてからすぐ、一気に引き込まれました。
もしかしたら、その日が休みだったらずっと読み続けていたかもしれません。
事実、休みだった昨日はほぼ読むことに費やし、いつもなら一週間ぐらいかけてようやく読み終わるのに、今回は2日程度で読み終わりました。
それだけ、私の心を掴み、衝撃を与えたのです。

「足利事件」で無実の罪を着せられ、司法と闘い続けてきた菅家さんのことは私も記憶にあります。
実年齢よりも老けて見え、刑務所での生活がどれほど過酷であったか、また、どれほど酷い拷問を受け続けてきたかが手に取るように伝わってきました。
結局、疑われる要素となったのは単に、幼稚園のバスの運転手をしていたからなんですよね。
なのに、ロリコンだとか勝手な決め付け……。
押収された荷物からも、そのような趣味を連想させるものは一切なかったそうですが、それでも警察は菅家さんを犯人に仕立て上げたかった。
自分達の名誉のためだけにです。
こうして書いているだけで、だんだんと腹が立ってきます。

さらに怒りを感じたのは、真犯人の目星がはっきりついているのに、未だに野放しにしているということ。
要は、自分達が行ったDNA型鑑定が間違っていたことを全面的に認めることになってしまうので、それだけ、多くの冤罪が明るみに出てしまうからです。
私は法律に詳しくないのではっきりとしたことは言えませんが、それでも、どれだけ「お偉いさん」が杜撰で自分達のことしか考えていないかぐらいは分かります。
それに、もしもはっきりと非を認めたら、死刑にされたとある人の無実も証明される。
つまり、自分らの無知が世間の晒しものになってしまう。
結局は殺人ですよ。
無関係な人を殺し、真犯人をのうのうと生き続けさせる…これほど酷い話があるでしょうか。

あとは、作者である清水氏の夢に女の子達が出てきたというエピソードもありましたが、やはり、彼女達も幼いながらに真犯人を捕まえてほしいと訴えてきたのかもしれません。
無邪気な笑顔でブリキの箱を渡してきたという女の子。
私も読みながら、「パンドラの箱か」と声に出して呟いてしまったほどでした。

人間は汚いです。
とはいえ、間違ったことをしたら素直に認め、謝罪すべきです。
被害者の一人である松田真実ちゃんのお母さんの、「まずはごめんなさいでしょう」がとても重い言葉でした。
普通に血の通った人間であれば、この言葉の重みを感じることが出来るでしょうが、言われた彼らに通じたのかどうか……。
遺族に限らず、世間にとって時効なんてどうでもいいのです。
とにかく、真犯人を明るみにし、裁いてほしい。
菅家さんが受けた――いえ、それ以上の苦しみを与えてやりたいほどです。
それに、未だに殺人犯がその辺にいると思うと怖いですよね……。
いつ、どこでまた同じように狙われる子が現れるか……。

マスコミは嫌いですが(そもそも、好きな人はそうそういないと思いますが)、清水氏には好感が持てました。
これだけ一般民の目線になって闘ってくれるジャーナリストさんも珍しいのではないでしょうか。
正義感の強い面は、内田康夫氏の浅見光彦さんにちょっと似てるな、と不意に思うこともありました。
ただ、小説と違って現実は事件解決して終わり、というわけにはいきませんから……。

やはり、一日も早く、実行犯である「ルパン」を逮捕してほしいです。
自分らの保身より、国民の安全を重要視するべき。

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雪原歌乃

『ゆきはらかの』と申します。
のんびりと小説を執筆、複数の投稿サイトに自サイトを掲載中です。